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暗いと不平を言うよりも……

この記事を書いた人
エディター
椎原
社会福祉法人敬章会Webサイトの子どもたちの写真、ほんとにかわいいです

漫画家・松本大洋の初期の代表作といえば、『鉄コン筋クリート』でしょう。
昭和の懐かしさを感じさせる架空の町を舞台にした物語は、叙情的でありながら激しく、研ぎ澄まされた絵柄の魅力とも相まって、多くのファンを惹き付けました。

松本大洋の作品の多くはハードボイルドです。ハードボイルドであるとはどういうことかといえば、主人公だけではなく、登場人物のひとりひとりが、自分の世界、自分のルールを持って生きている、言い換えると、個人として立っている、ということです。

たとえば、『鉄コン筋クリート』のわき役でヤクザの鈴木という人物がいます。彼は、ヤクザでありながらヤクザ組織の論理で動きません。自分のルールで動き、そのために死にます。ニヒルに笑って、気の利いた台詞ばかり言っている、なかなか魅力的な人物として描かれています。

そのヤクザの鈴木が、あるところでこんなことを言う場面があります。

『鉄コン筋クリート』(松本大洋、講談社コミックス)より引用

「暗いと不平を言うよりも進んで灯りをつけましょう」

最初、戦争中の生活統制標語みたいだなと思いましたが、調べてみると「カトリック善き牧者の会」の布教スローガンで、同会のラジオ番組『太陽のほほえみ』で使われていたのですね。考えたのは司祭のジェームス・ハヤットだそうで、会のWebサイトにも掲げられています。

すると、このヤクザの鈴木はカトリックの信者だったのでしょうか? その可能性もありますが、クリスチャンであることを示唆する描写は出てこないので、単にラジオ放送で流されるその台詞を覚えていただけだと考える方が自然でしょう。

ヤクザの鈴木がこのことばをそらんじられるほど気に入っていたらしいのと同様に、私も宗教的な意味合いとは関係なく、この「暗いと不平を言うよりも進んで灯りをつけましょう」という台詞がとても気に入っています。

それは、人生上の教訓としてではなく、ビジネスを考える上での要点としてです。

ビジネスパーソンのみなさん。不平を言ってはいけません。進んで灯りをつけようではありませんか。

(つづく)